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sdv9『蛹』 作品の概要 |
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時空を俯瞰する音楽 最新の音響技術と創造的発想の融合によって実現されるジオグラフィカルでリアルな音像はその場でしか体験できない圧倒的密度で時間を刻む。コンピュータ内部で電気的に発生し変換された音、アジア全般に分布する青銅の響きにこめられた大地への根源的な畏怖と祈り、フィールドレコーディングの無意識的記号、そして内なる感覚によってのみ結ばれている声が現象を細分化するインタラクティヴシステム(=結界)となる。音響・身体・美術・ひかり、各領域の作業域が同時進行的にせめぎあい、うねりとなって高次化されるとき、その気配はたちのぼる。(プレスリリースより) |
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デュアルサウンドシステム Sympho Canvas®と4.1スーパーマルチシステムとの
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わたくしたちの運命と記憶 今日アジアの東に生きるわたくしたちが、わたくしたちでありえることの意味は儚い。しかし、この飽和に在ってなおもわたくしのどこでもない何かを震わせ続けるものは、 不可聴の轟音を伴って永遠に疾走する運命そのものの、 その一見の静寂のモノガナシサだろうか。 もはやわたくしたちにとって全を求めることは虚しいが、 ささやかな記憶と知恵を拾い集めながら、それをただひたすらに誰かに手渡して、 その体温を感じ、その感じたものをうたにしよう。 そのカタチを土に風に返そう。 |
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美術デッサン ©Outsect |
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メッセージ なぜ、電子音楽の作曲家でありながらこのようなミクストメディアの作品公演を行うのかというと、コンピュータの普及とさまざまなツールの氾濫によって、一見あらゆる音の表現を手にしたかのような錯覚に陥りがちなのですが、それらをプログラムする行為と表現との決定的な違いを見過ごすことが出来ないからです。我々のようなスタイルの作曲家は、記譜すると同時にプレイヤであり、それはつまりプロジェクションにも意欲を持つべきなのだと考えています。それは、実際に会場で音が空気に触れたときに初めて作品が生命を獲得するということでもあり、私たちは根気強いサウンドチェックをしながら本番直前まで音を編集し、そのテクスチュアの豊かで存在感のある音が作品へとフィードバックされる過程こそを大切にしています。そうして必ずライヴで演奏をします。音に耳を澄ますだけでなく、パフォーマンスや美術・照明など他のすべての要素と対等な関係において連綿と作品をつむぐ感覚は、あたかも [自分=音]が自由自在な身体を獲得して時間を描いているかのようです。だから、私たちの公演はあくまでも、音楽作品なのだと考えています。現在、CDなどの記録媒体での作品発表についても思考中で、こうしたジオグラフィカルな空気感を伝えられるような方法を画策しています。 (種子田 郷) * * * 幼少よりさまざまなジャンルの音楽を「演奏者」として経験する中で、それぞれの語法やメンタリティの違いに興味を持った。それは内面と身体のバランスの探求でもあり、そこにこそ豊かさがあると思う。しかし、「ジャンル」という自らをシフトする感覚は、多重の人格を操らなければ生きていけない現代の生き方を映しているようにも感じる。だからこそわたくしはその逆をたどろうとしているのかも知れない。われわれ世代特有の本質への渇望、生きる実感を求める気持ちに妥協しないことが、わたくしの表現には必要なのだ。コンピュータや音響システムを用いた音楽や、舞台などの複合的な芸術においても、この考え方は重要で、音楽家としての身体をいかに作品の中に存在させるかが、これからの時代の芸術を豊かにしていくポイントのひとつだと思う。 (さとうじゅんこ) |
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